知人友人、職場の方などから、ご家族のご不幸の連絡をいただいた時。
喪中の方への挨拶にメールは基本的に使いませんが、喪中の方がメールでお知らせされたものならば、喪中の方への挨拶はメールでお悔やみを返すのは失礼ではありません。
あるいは、きちんと文書なり喪中はがきなりでお知らせいただいた時にも、普段からメールのやり取りをしている身近な相手なら、取り急ぎという旨を加えて、哀悼の気持ちをメールで返信するのもアリだと思います。
昔ならそれこそ、知らせを受けたらその場で電話をかけたりしたものです。
しかしその場合には、後ほどこちらからもあらためて「喪中見舞い」という形ではがき、あるいは封書できちんと愁傷の気持ちを伝えるようにするべきです。
昔はこうした慶弔のことについてメールでやり取りするなどありえませんでした。
現在でもお年を召した方や、社会的に上の方であるならば拒否感を示すことも多いと思います。
ですから、そうした方に対してはメールを使っての挨拶は避けた方が無難です。
しかし、現代の社会生活を送っている若手の人たちならば、メールを通信ツールとして使うことはすでに常識。
かつての祝儀不祝儀の伝統を無くすわけでもなく、新たな要素が追加されつつあるという意味で、慶弔の連絡にメールを使うことも次第に一般化してゆくものだと考えられますね。
喪中の方への挨拶の仕方で寒中見舞い・喪中見舞いの注意点とは!?
喪中のはがきを頂くこと、それは同時に「年賀欠礼」のお知らせを頂くことでもあります。
「身内に不幸がありました」
「皆で悲しみにくれているので、一年の間、祝い事は遠慮させていただいております」
という意味だととらえるべきものです。
この時に、あなたが礼儀にかなった行動をとるとすれば、まずは知らせを受け取ったらできるだけ早くに「喪中見舞い」というお悔やみのための返信を相手に送ること。
次には年始、本来なら年賀状のやり取りをするときに、新しい年をお祝いする期間である「松の内」とされる1月7日まで(地域によっては1月15日まで)を避けて、その後になるように「寒中見舞い」を送ることです。
喪中見舞いははがきで送ることが一般的ですが、近年では最初に書いたようにメールで取り急ぎと送ったり、また電報で送ったり、厳密な決まり事はありません。
実際に今、日本郵便のサイトを見てみたところ、印刷済みのはがきや、お線香を付けたおたより、レターパックなどを寒中見舞い商品として取り扱っているようです。
そのような喪中見舞いによく書かれる定型文・ポイントとしては、
- 『喪中お見舞い申し上げます』という定型挨拶
- 『思いがけない訃報に心より驚いております』という、予想外の不幸に対する心情
- 『お身内様方々お悲しみのところご丁寧なご挨拶をいただき、誠にありがとうございます』という、多忙と悲しみの中なのにお知らせいただいたことへの感謝
- 『亡き〇〇様に心よりご冥福をお祈りいたします』という悔やみの言葉
- 『ご服喪中とのこと、年頭のご挨拶は控えさせていただきます』ということわり
- 『皆々様どうぞお体に気をつけてお過ごしください』という遺族への気遣い
このようなものがあげられます。
また、当然のことながら「死」「終」「切」などの忌み言葉や、不幸がこれ以上続いてゆかないように重ね言葉を避けるのも心がけるべきことですね。
こうした言葉遣いの寒中見舞いですとやはり手紙、はがきの形式をとる場合が多いですが、メールであってもこれらの内容を参考にすれば、手短ながらも礼儀正しく哀惜の気持ちを伝えられます。
そして年賀状を送らない代わりに、年頭のあいさつとして送る寒中見舞いの場合、気をつけるべきことは、
- 元旦に届くことは絶対に避けること。どうしても必要ある場合を除いて、松の内も避けること。
- また、2月3~5日の立春の日までに送ること(それ以降は「寒中」ではなくなるため)
- 「おめでとう」「良い年」などのような祝辞となる言葉を使わないこと。
- 喪中見舞いと同じく、忌み言葉や重ね言葉を避けること。
などなどです。
逆に、含めるべき内容は、
- 「年初のご挨拶を申し上げます」などの挨拶、日ごろの事々への感謝などを述べること。
- 寒さの厳しい時期なので、相手の健康を願うこと。
などです。
これらのような事を書くことができれば、相手に感謝し労わる気持ちも伝わりやすいですね。
喪中の方への挨拶にラインは論外?送る相手次第では問題ない!?
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ラインは手軽な通信手段であり、どうしてもフォーマルではなくカジュアルという認識の強いツールであることは間違いありません。
喪中の方への挨拶では、慶弔という人生の重大事に関してラインは使用する相手を非常に選びます。
- ラインが唯一の連絡ツールである。
- 私的な付き合いがあり、とても身近な相手である。
そういう場合以外は、可能なら避ける方が無難ですね。
というのも、短文の繰り返しを続けて相手とやり取りする手法が中心のラインでは、そもそもが、きちんとした文章なり挨拶の定型文は送りづらいのです。
定型文が使えない、使いづらいというのは、目上だったりお年を召していたりと、とにかくまず形式を必要とするような相手にとっては不快感を与える可能性が高くなってしまうのです。
それでも、身近な相手に対しラインを使用して挨拶をするのなら、その場合に気をつけるべきなのは、
- スタンプや顔文字は使用しない
- 言葉遣いにも普段以上に気をつける
というようなこと。
上記のようなポイントを守って可能な限りフォーマルに寄せた形にして、可能な限り既存の礼儀や作法などを順守している形にする方が望ましいと考えられます。
まとめ
これまで喪中の方への挨拶の仕方について色々と書いてきました。
喪中の方からご不幸の知らせがあったとき、即座のお悔やみの返信として「喪中見舞い」、年賀欠礼の代わりとして「寒中見舞い」を書くことを推奨しましたが、実はこのふたつのうち「喪中見舞い」というのはまだ新しい習慣なのです。
実はこれを書くにあたっての資料として大泉書店の「手紙百科」(昭和45年)という書籍をちらりと確認してみました。
第三章に「見舞」という項目がありますが、おなじみの暑中見舞や寒中見舞から、現代ではまず見ない、廃れてしまったかのような盗難見舞や留守見舞というものまで、各種見舞の例文が掲載されているものの、その中に「喪中見舞」という言葉はありませんでした。
昔ながらの伝統ではなくとも、遺族の心を慰め、ご不幸へのお悔やみの気持ちを一刻も早く伝えたいという心から始まった習慣であることに間違いはありません。
現代の気風にも合わせつつ、弔事に関する基本的なマナーを守り、悲しみをやわらげることができるように気をつけて行うことを心がけるべきですね。
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