近年日本でも、キャッシュレス化がどんどん進んできていますね。
クレジットカードはもちろん、電子マネー、QRコード、スマホ決済など、使ったことのない方のほうが少ないのではないでしょうか。
しかし、キャッシュレス決済は便利な反面、さまざまなリスクも存在します。
西日本新聞の『「泣き寝入りするしか…」便利なキャリア決済、思わぬ”落とし穴” 大手3社、不正利用でも契約者に請求』この記事でも書かれているように、大手携帯電話キャリアが提供しているキャッシュレスサービス、「キャリア決済サービス」を使った詐欺被害が増えています。
また多くの被害者が泣き寝入りをしているということで、問題になっています。
この記事では、「キャリア決済サービス」の詐欺で、実際どういった被害があって補償されるのか、またどういった対策をすればいいのか、考えていきたいと思います。
キャリア決済で詐欺による危険性とは!?
キャリア決済は、一度アカウント情報を知られてしまえば、限度額いっぱいまで悪用される可能性があります。また、不正利用されたことを証明できなければ、請求を止めることができないのが現状です。
なぜなら、この件では「キャリアが個人情報を盗まれた」のではなく、「利用者自身が個人情報を提供した」ことになるからです。
例えばクレジットカードの詐欺被害に遭って補償を受ける際は、
「暗証番号を誰かに提供したか?」
「第三者に推測されやすい暗証番号を設定していたか?」
などと聞かれます。
そういった過失がある場合、被害額は返金されません。
キャリア決済で詐欺にあう前に確認するべき設定はどうする!?
まず、ご自身のキャリア決済サービスの設定を見直しましょう。
キャリア決済サービスの存在を知らないまま、限度額を高く設定したままの方が多いと思われます。
便利なサービスですが、今後利用する予定がない方は予防策として、限度額の変更、もしくは利用停止の手続きを行いましょう。
あらゆる詐欺に対して言えることですが、自分の身は自分で守るという意識を持つことが何よりも重要です。
メールを受信したら、そこから直接リンク先に飛ぶのではなく、ブックマークや検索画面からサイトにアクセスしログインする。
これを心掛けるだけでも被害に遭う確率はかなり減らせます。
とはいえ、ネットに疎い方や高齢者にとってはどうしても判断が難しいと思います。
ユーザーのITリテラシー、つまり情報の取捨選択や、スマホの操作などの知識と理解が低いことも重要な課題といえます。
キャッシュレス化を目指すなら、それと共にITリテラシー教育も進めるべき、といった声が多くネット上にあります。
キャリア決済の詐欺の手口は人の心理をついた悪質なメール!?
では具体的に、どういった詐欺被害があるのでしょうか?
docomoであった一例をあげてみます。
「ご利用のキャリア決済が不正利用の可能性があります」という内容のショートメッセージ(SMS)が、NTTdocomoを名乗る差出人から届く
↓
URLからdアカウントのログイン画面へ誘導される
↓
誘導されるままログインすると、IDおよびパスワードが盗まれ、キャリア決済が実行される
↓
高額な請求が届く
主にこういった流れです。
SMSに貼られているリンク先のログイン画面は精密に作られた偽ページで、これはいわゆるフィッシング詐欺というものにあたります。
まとめ
被害者が泣き寝入りしている現状からみて、このような犯罪はこれからさらに増加していくといえます。
企業は利便性ばかり宣伝しておきながら、問題があったときは自己責任にされてしまう。
キャッシュレスサービスを広めることが最優先され、消費者保護がおろそかにされている。
悲しいけれどこれが現実です。
企業には早急な対策を望みますが、便利なものが次から次へと出てくる時代です。
「自己防衛」が何よりの対策法といえるでしょう。
詐欺手口や実例を知っていると知らないとでは、被害に遭う確率が大幅に変わります。
常に情報収集を心がけ、またご家族やご友人と共有するなどして、被害に巻き込まれることのないようにしましょう。
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