メールの返信でビジネスという公の舞台では引用は消すより残す方がマナーとして良いです。
たとえ長い付き合いの相手であって、まるで友人同士のように相手の人柄や好み、性格などがわかっていたとしても、友人関係のような私の繋がり方とは別のマナーが利用されるのが普通。
となると? 実はメールの返信は「全文引用」がより望ましいのです。
それがなぜなのかに重点をおいて、お話しますね。
メールの返信は全文引用が望ましい理由は無駄な手間を掛けない為!?
相手から届いた文章の内容をすべて自分の返信に載せる。
あるいは、一切載せずに自分の文章だけで返信する。
どちらがマナー的には正しいのか、それとも正しくないのか。
それぞれに理由がちゃんとあります。
「正しくない」とされる理由
- 一通の中にずらずらと文章が並んで見苦しいから。
- その分重くなるから。
- 差出人は、自分が書いた内容を熟知しているはずだから無駄。
「正しい」とされる理由
- 履歴の痕跡を残すことができて、やりとりの流れがよくわかるから。
- 差出人も内容を再確認できるから。
- 後々、記憶が薄れた頃に再確認の必要が出る場合、残していると効率がいいから。
実はこれ以外にも「必要な部分だけ残すのがスマートだし、マナー」派もいます。
現時点では考え方も色々とあり、一律に「これが絶対に正しい!」と言い切れないかもしれません。
しかしビジネスの場合には、仕事をする上で、1日に何人もの顧客とやり取りをする可能性が高いと考えてみると、わかります。
相手に対して、『「受信メール」の中の大量のメールの中からの一通を探し出させて内容確認をさせる』という手間をかけさせない、ということを重視して、「全文引用」がより正解に近い、望ましい手段なのではということなのです。
そして逆に、かつて紙の書類をやり取りしていた時代には、ビジネス上での相手への返事の手紙の中に「全文引用」をするなんて考えられない方法だったということも、理由のひとつかもしれません。
メールの返信で引用する時のマナーで文章の位置や「Re:」はどうする!?
仕事上に使用する連絡文面として見やすい、読みやすい、確認しやすい。
また、相手に失礼にならないための大事なポイントとなる部分はいくつかあります。
例えば文章の位置。
「自分の書く内容の部分
____(区切り)____
>相手から届いた部分」
これなら相手は、自身が書いた文章の頭書部分まで来たときに、あとは飛ばして時間短縮ができるというメリットがあります。
また、メーラーの設定によりますが、タイトル部分に「Re:」がつく場合があります。
これはそのままにしておきます。
しかし「Re:」の数が多くなったら削り、ひとつだけにしておくほうが、見やすくわかりやすくなりますね。
そして、最も大事なこととしてあげられるのは、相手の文章に手を加えないことです。
相手の文書を改変して返信するのは完全にマナー違反です。
これだけは絶対に失礼なので、何があってもやってはいけません。
もしそれを行った場合、相手はあなたに対して「文書の改竄をしてしまえる人」という印象を与えてしまう危険性だってあるのです。
間違いを指摘するのはあくまでも自分自身の文章の中とします。
簡単にポイントをまとめてみます。
- 相手と自分の文章の位置はきっちりと分ける
- 「Re:」はつける
- 引用文に手を入れてはいけない
ということになります。
これらはすべて、相手が読みやすく理解しやすく、また無礼にならないためのルールだと考えて実行するとわかりやすいのではと思います。
通常のお手紙を書く場合には返信はしませんが、相手の質問に対してわかりやすく返す、相手の文章を勝手に修正しないというのは正しいことですから。
まとめ
おおまかな歴史になりますが、社用のパソコンが1人1台に配られてそれぞれで仕事をするようになったのは、だいたい2000年前後からで、それまでは部署に1台、という場合が多かったのです。
パソコンやインターネットが一般的にも広がって使用されるようになった、ちょうどwindows95やwindows98あたりが使用されていた頃ですね。
実際に、私の場合は就職した頃がちょうどその過渡期で、就職直後は必要に応じて部署のパソコンを使用、その後数年の間に1人1台ノートパソコンが配備されるようになりました。
そのような状況の中で、みんな初めは手探りで正しい方法を模索しました。
それがマナーのはじまりです。
「相手のメール本文を全文引用して、後々のために経過を残そう」
「本文が重くなると負担がかかるから引用は消そう」
このどちらも相手への思いやりから出てきたものであることに間違いはありません。
そしてそれからまだほんの20年。
まだまだ色々な考え方があっても当然なのです。
きっともう少し先の時代には、その「正しさ」が統一されて、このようなことで悩む必要もなくなってゆくのでしょうね。
でももしかしたら、さらに便利な通信手段がその頃には出てきているのかもしれません。
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