冬の必需品の中でもやっぱりポピュラーなのはこたつやホットカーペット。
床という低い場所を確実に暖めてくれることで、体感としても気分としても、ほっとするぬくもりを与えてくれます。
ではこのふたつを比較して、どちらの方がより安く利用できるの? という疑問は誰にでも出てくると思います。
しかしこれについては「使用方法によって料金が変わってくる」。
つまり「どちらの方がより安いかは一概には回答できない」が答えなのです。
まずはそれぞれの売れ筋商品を探して、消費電力をチェックしてみました。
- こたつ:定格消費電力300W、消費電力160Wh(強)
- ホットカーペット:定格消費電力200W、消費電力7Wh(強)
こたつは750mm×750mmの正方形のもの、ホットカーペットはサイズが色々とありましたが、最も近い1畳サイズのもの(1760mm×880mm)との比較です。
これだけを見ると、似たようなものではありますが、ホットカーペットの方がより電力消費が少なくてお安く済むように見えますね。
でも、実際の使い方を考えてみると、比較に必要な要素が電力の消費量だけではないことがわかるのです。
こたつの電気代は一か月でいくら?料金的には意外と安い!?
先ほど、こたつについて調べた結果、定格消費電力と消費電力の数値が出てきましたね。
まず、この「定格消費電力」とは、その電気器具を最大限、フルパワーで使用したときの消費電力のことです。これはあくまでも参考値としてみておくだけで大丈夫です。
計算をするときに実際に必要なのは「消費電力160Wh(強)」の方。
これはこたつの暖房能力を「強」としたときに、1時間でどれくらい電力を消費するかという数値のこと、つまり160Whとは「1時間に160W消費しますよ」という意味です。
そして電力料金は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が平成26年に発表した「27円/kWh」を参考とします。
さて、では実際の金額を計算してみます。
「こたつを(強)にして、1日に12時間、30日使用」というモデルを想定すると、
まず、160Wh=0.16kWhですから、
27円/kWh×0.16kWh=4.32円
つまり1時間使用して、約4円とちょっとくらいが目安になります。
そしてこれを日に12時間、30日間毎日使用したとして、
4.32円×12時間×30日=1,555.2円
となります。
1か月普通に使いつづけて約1,555円なら、これでもかなりお得感はあるように思いますね。
実際にこたつの電気代はつけっぱなしの方が料金は少なくて済む!?
しかしここでちょっと思い出さなければならないことがあります。
それはこたつをつけっぱなしにした場合に、何が起きているかということです。
昔ならいざしらず、現代のこたつは、常時電源を入れて(強)で暖めているとしても、サーモスタットやマイコンで自動的に温度調整を行っています。
でなければ、こたつ布団の中で際限なく温度が上がっていって危険なことになってしまうからです。
そしてこの温度調整が行われている間は、160Whよりも小さい電力でこたつは発熱していると考えられますので、実際には先ほど計算したよりももう少し低く料金は抑えられているのです。
まめにつけたり消したりするよりも、実は安全に留意しながらつけっぱなしにしておく方が、こたつの料金は少なくて済むということですね。
最初に、こたつとホットカーペットとどちらがお得か? という問いに対して、使い方次第という回答をしました。
実はこの理由もこの点にあるのです。
電気料金を算出すると、ホットカーペットの方が電力消費は少ない分お得なはずですが、実際に使用する状況を考えてみると、こたつ布団に包まれた中を暖めているこたつと、表面が空気にさらされたままのホットカーペットでは、保温能力がまったく違います。
つまり、双方を常時つけっぱなしにした場合、こたつはある程度の温度になったら自動調整で電力消費を抑えられます。
しかしホットカーペットでは、表面がこたつのように覆われず、空気の中に熱が逃げてしまうことになるため、その点での電力消費調整が起きることがあまりありません。
それでも例えば、ホットカーペットの上に毛布をかぶせるなどして保温し、電力消費を抑えることも可能です。ですから、使い方次第でどちらがお得かは変わってくるということになるのです。
まとめ
今、これを書き上げるまでの間、パソコンに向かいながら、私の足元には小型の電気ストーブがひとつ置いてあります。
足元の冷えに対応するには、時間をかけずにすぐに熱くなるこれがとても重宝するのですが、それでも作業など色々と夢中になっていると、ついつい足元に関しては意識を向けなくなってしまうもの。
冬が終わる頃には、低温やけどほどのダメージまではありませんが、私の足には数か所、ほどほどに熱にさらされた痕が残っていたりしています…
こうした電気ストーブや灯油ストーブ、暖炉など、実際に熱源のそばまで近づけたり、火を使ったりする装置と比較して、こたつやホットカーペットは安全安心ということもあり、色々なご家庭、特に小さいお子さんがいるおうちでは重宝されることが多いですね。
しかし消費者庁の調査によると、平成26年~30年の間にこたつによる火災が192件、ホットカーペットによる赤ちゃんの低温やけどの事例も報告されています。
こたつについては、中で洗濯物を乾かそうとしたり、こたつ布団を内側に巻き込んでヒーター部分に触れてしまっていたりしていたことなどが原因、ホットカーペットについては自分で自由に動けない赤ちゃんの場合は周囲の大人の注意が必要だとのことでした。
これらはどちらもお得で安全で、寒い季節にはとてもありがたい必需品です。
でも使用するときには慢心せず、ちゃんと守るべき安全ポイントをチェックしておくことが必要なのだと考えさせられてしまいました。
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