接客業に携わるあなたは、自分の接客に自信をもっていますか?
「接客のさしすせそ」という言葉があります。
「またこのお店に来たいな」、「この人に担当してもらいたいな」と思わせる人たちは、これをうまく取り入れています。
私も接客業で働いていましたが、慣れないうちは決められた仕事をこなすことに精一杯で、お客さまのことを考える余裕がありませんでした。
でも接客は、従業員とお客さまという「人:人のサービス」なので、一方通行ではいけないのです。
「接客のさしすせそ」を軸に、さまざまな接客業に10年以上携わってきた私が感じる、接客の上手なやり方、下手な接客とは何かについてまとめてみました。
紹介するポイントを頭に入れておけば、お客さまに満足してもらえて、また来たいと思わせる接客が自分のものになり、仕事が楽しくなりますよ!
接客のマナーは相手を思いやる言葉遣いでお客さまの心を動かす!
「接客のさしすせそ」とは以下のとおりです。
- さ:「さすがですね」
- し:「知りませんでした」
- す:「素敵ですね」「すばらしいです」
- せ:「せっかくですから」
- そ:「そうなんですね」「そうなんですか?」
お客さまとの対話の中で使えるテクニックです。
もともとは、水商売の方たちの間で「お客さまに喜んでもらえる言葉」として広まったものなんです。
会話が重視される業界で使われているテクニックなら、飲食業に限らず、さまざまな接客の世界で使えること間違いなしですよね。
さ:「さすがですね」
認められたい、褒められたいという承認欲求を刺激するテクニックです。
昔働いていた会社の上司が、私を含め周りのスタッフたちが何か良いことをすると、しょっちゅう「さすが!」と言っていました。
我ながら単純ですが、そう言われると「もっと頑張ろう!」と思ってしまうものです。
認められたり褒められると、その人を信頼できたり親近感を持ちますよね。
お客さまの目の付けどころがいいな、と思ったときや、自分が知らなかった知識や経験をお客さまから教わったときに使えます。
いつもなら「そうですか」「なるほど」と言ってしまうところを、「さすがですね!」と置き換えただけで、言われた相手は褒められたような気持ちになり、嬉しくなります。
し:「知りませんでした」
家族や友人と話していて、「え!そうなの?知らなかった!」と言われると、ちょっぴり
気持ちよくなりませんか?
「知りませんでした」も「さすがですね」と同じく、承認欲求を満たすフレーズなんです。
ちょっとした話でも「自分の話に興味をもって聞いてくれているんだな」とお客さまに感じてもらえれば、もっとこの人と話がしたいな、と思ってもらえます。
私が独身時代通っていたカフェの女性店員さんはまさにこんな感じで、どんな些細なことでも「え!知りませんでした!」と興味をもって聞いてくれていたので、彼女がお店にいるといつも楽しい気分になりました。
また「し」は、「知りません(わかりません)」という意味もあります。
働き始めたばかりのときなどに自分の知らないことを質問されて、焦って適当なことを言った経験はありませんか?
知らないことを尋ねられたときに、知ったかぶりをせず正直に「知りません」と答えましょう。
その後すぐに情報を確認し、「知識不足で申し訳ございません。勉強になりました。」と付け加えれば、信頼を損ねることはありません。
す:「素敵ですね」「すばらしいです」
普段の生活の中でも、思っていてもなかなか口に出せなかったり、何となく恥ずかしくて言えないのがこの2つです。
何に対しても使えるフレーズですが、あまり使いすぎるとわざとらしく聞こえてしまうので、ほどほどにしましょう。
さりげなく心の声が漏れてしまった、ぐらいでちょうどいいです(笑)
せ:「せっかくですから」
「お客さまがいらっしゃった今まさにこのタイミングで、こんなにすばらしい商品がありますよ!せっかくですから、ぜひどうですか?」
というように、何かを薦めたいときに使えるフレーズです。
例えば、レストランで季節限定のデザートがあったとします。
A:旬のフルーツをふんだんに使っていて、今しか味わえないおいしさです。いかがですか。
B:旬のフルーツをふんだんに使っていて、今しか味わえないおいしさです。せっかくですから、食べてみませんか?
このように、特別感を演出するだけでだいぶ印象が変わります。
そ:「そうなんですね」「そうなんですか?」
お客さまが主体となる接客において、相づちをうつ場面は多々あります。
「へー」、「はい」という相づちが何度も続くと、自分の話に興味がないのかなとか、ちゃんと聞いてくれているのかな、と不安になりませんか?
そこで、
「実はこれから彼女とデートで…」
「そうなんですね!どちらに行かれるんですか?」
というように、「そうなんですね」や「そうなんですか?」は相づちをうちつつ、さらに会話が弾むきっかけを作ることができる魔法の言葉なんです。
確認しながら共感してもらえる、というのは信頼関係を築くことにつながるので、どんどん使いましょう!
接客の対応で基本を知らないとお客様のニーズに応えられない!
「接客が下手な人」って、どんな人をイメージしますか?
敬語を使えない、目を合わせない、無愛想な人など…もちろんどれも当てはまります。
私が思う接客が下手な人とは「お客さまのニーズを無視している人」です。
「この人は接客が上手だな」と感じてもらえるのは、お客さまが求めていることをすぐに察知して、行動にうつしたり言葉にしてくれたときだと思います。
どれにしようか迷っているとき、何も言わなくても声がけや提案をしてくれたら、気にかけてくれていたんだなと嬉しくなりますよね。
私が働いていたときも、お客さまが何を求めているのかを察するのが上手なスタッフには、
「今日は〇〇(スタッフ名)さん、いる?」「〇〇さんに質問したいことがあるんだけど」
というような常連のお客さまが多かったです。
お客さまとスタッフの間に信頼関係ができれば、自然とニーズに応えようという気持ちになりますし、質のいいサービスを提供できます。
そして、そんなスタッフたちはお客さまとの会話の中に「接客のさしすせそ」がたくさんあふれているんです。
まとめ
接客業はお客さまが満足してくださるからこそ成り立つ仕事です。
自分の接客に満足してもらえているか不安だな、と感じる方は、「接客のさしすせそ」をたくさん取り入れて、お客さまが何を求めているのかを察することができるようになりましょう。
仕事も楽しいものになりますし、ニーズに応えて「ありがとう!」と言ってもらえた嬉しさは、自分の自信につながります。
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