今月18日、アニメ制作会社の「京都アニメーション」(京都市伏見区)の第1スタジオで放火事件が起こりました。
多数の犠牲者が出た今回の事件…アニメ好きの私としても大変ショッキングなものでした。
「京アニに支援を」という声の中で一気に拡散したのが“クラウドファンディング”。
奇しくも不幸な出来事の中で注目されている“新しい支援のカタチ”について考えていきたいと思います。
京都アニメーション火災の悲報にセンタイ・フィルムワークスが支援
今回事件が起こってしまった「京都アニメーション」は「けいおん!」や「Free!」などの人気作品で知られるアニメ制作会社です。
2016年に公開された「聲の形」の制作も担当していて、まさに日本のアニメ業界を牽引していると言えます。
京アニが制作するアニメは人や物の動きが滑らかで、自然描写も美しく、私自身、京アニの制作するアニメは好きな作品が多いのです。
それだけに今回の事件は非常に衝撃的でした…。
何か支援する方法は…と思った時に目についたのが“クラウドファンディング”です。
この支援を立ち上げたのはなんとアメリカの「センタイ・フィルムワークス」という企業。
日本アニメの海外配給などを行なっており、今までに「CLANNAD」や「けいおん!」シリーズなどを京アニの作品も手掛けたことがあるようです。
同社がTwitter上で京アニに対する支援として“クラウドファンディング”を立ち上げてからあっという間に世界中に拡散し、事件が起こってから半日と経たないうちに2000人以上から800万円超の寄付が集まったとのこと。
寄付の目標額は50万ドル、日本円にして約5400万円と掲げています。
詳しくはこちらの記事をご参考してください。
「心は京アニと共に」 海外でクラウドファンディング開始、目標額は約5400万円
そもそも京都アニメーションの支援の形“クラウドファンディング” とは何!?
さてこの“クラウドファンディング”ですが、あまり耳にしたことがない方もいらっしゃるのでは?
実は私も記事を読んだ時「おや?」と思いました^^;
なんとなくオンライン上でお金を集めるということは分かるけど…と言う方にどのような仕組みになっているのかを簡単にご説明します!
“クラウドファンディング”の英語表記は“Crowd funding”、「群衆」を意味する“crowd”と「資金調達」を意味する“funding”を組み合わせた造語のようです。
この言葉が意味するところは「多くの人から少ない金額の寄付を募る」ということです。
例えば、ベンチャー企業が起業資金を準備しようとする場合、借入れなどではそれなりのリスクが伴います。ゼロからの状態で出資者を探すこと自体、かなり大変そうですよね…。
そこで起業する側が“クラウドファンディング”を立ち上げ出資を呼びかけます。
インターネットを通してその起業内容や会社の将来性などに賛同した人々から資金調達が出来るという仕組みです。
企業の資金調達以外にも、研究や発明品の開発、防災を目的としたもの、ファンからアーティストへの支援など“クラウドファンディング”の利用法は様々です。
一人あたりからの出資は少額であっても、オンライン上であれば世界中の不特定多数の人々の目につくため、より多くの人から出資金を集めることができるチャンスがある訳ですね^ ^
そして今回はその利点を活かし、京アニの支援を目的としてこの“クラウドファンディング”が立ち上げられたのです。
京都アニメーションへインターネットを通じた新しい募金支援の効果
今までは、自然災害などが起こってしまった場合の支援と言えば“募金”が一般的でした。
コンビニや百貨店、レストラン、街頭などでも度々募金活動を目にすることもありますよね。
一人一人からの募金が大きな金額となり、被災地の力となる。
これからも“募金”はなくなってはいけないものだと思います。
そして今回の件で、恐らく“クラウドファンディング”も新しい支援の方法として注目されていくのではと感じました。
自然災害であれば、国全体として“募金活動”を行うことも多々ありますが、今回のような事件の場合では残念ながら国内規模での活動は行われず、支援する方法も限られたものになる可能性が高かったと考えられます(あくまで私の推察ですが…)。
しかしながら、アメリカの企業がいち早く“クラウドファンディング”を立ち上げTwitterで呼びかけを行ったことで、短時間で支援の輪が広がったのです。
またTwitter 上には京アニ、ひいては日本のアニメ業界全体への応援や励ましの言葉が溢れ、お金以上の価値も生まれたのではないでしょうか。
これらを踏まえると、今回はインターネットの利点が最大限に活かされたように思います。
まとめ
近年では、インターネットやSNSの悪い面が取り上げられがちですが、改めてそれを誰がどう使うかによって良くも悪くもなるんだな…と感じた一件です。
SNSの普及で人間関係が希薄になったと言われることも多いです。
しかしながら、今回の件に関してはむしろ逆ではないでしょうか。インターネットがあったからこそ短時間で寄付の呼びかけを行うことでき、SNSが普及した現代だからこそ、国内だけでなく海外からもたくさんの支援の声が届いたんだと思います。
もちろん災害や事件はないに越したことはありませんが、もし起こってしまった場合、離れた場所からでも支援ができる“新しいカタチ”があるということをぜひ覚えておいて頂ければなと思います!
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