仏教行事の一つである、花祭り。聞いたことはあるけど、「なんのためにあるのか」「どんなことをするのか」知っていますか?
私の子供も、お寺の保育園に通っていたのですが、入園するまでは花祭りなんて聞いたこともなく、仏教行事は知らないことばかりだと気づいたものです。
今回は、花祭りのことを子供に聞かれて上手く説明できなかった…そんなパパ、ママに向けて、花祭りについてまとめています。
幼児期のお子さんが興味を持ちそうな部分に絞って解説しているので、参考にしてくださいね。
花祭りって何をする日?子供に聞かれた時に分かり易い説明の仕方!
花祭りを一言で子供に分かりやすく伝えるなら、「お釈迦様の誕生日会」です。幼稚園や保育園で毎月誕生日会をしている子供たちなら、すぐに理解できちゃいますね。
お釈迦様が誰なのか?という点ですが、普段お釈迦様になじみがない子の場合は、クリスマスと関連付けてお話すると分かりやすいです。
子どもにとって、クリスマスはサンタさんが来る日ですが、クリスマスを知らない子はいませんよね。自分が知っていることが話題に絡んでいれば、子供も話が頭に入りやすいです。
なので、クリスマスはイエス・キリスト様のお誕生日、花祭りはお釈迦様のお誕生日というようにお話できます。
地域によっては旧暦を使うなど、異なるケースもあるようですが、お釈迦様のお誕生日は通念上4月8日です。息子が通っていた保育園では4月の行事に花祭りが入っていました。
誕生日なのでお祝いをするわけですが、そのお祝いの仕方には特徴があります。
花で飾った御堂にお釈迦様の像を置き、参拝に来た人は、お釈迦様に甘茶というお茶をかけてお祝いする、というものです。
御堂とは壁のない小さな建物のようなものです。お釈迦様はルンビニという地にある花園で生まれたとされており、花で飾った御堂はルンビニの花園を表しています。
御堂の中は小さな池のようになっていて、その中心にお釈迦様の像が立っています。池の部分は甘茶で満たされていて、その甘茶を柄杓ですくって、お釈迦様にかけます。
息子が保育園に通っていた頃の写真を見返すと、お釈迦様に柄杓で何かをかけているものがありました。
保育園が甘茶を使っていたかまでは定かではありません。ですが、同じようにしてお祝いしていたのだと分かります。
赤ちゃんが生まれてすぐに体を洗うことを産湯すると言いますが、お釈迦様を産湯したときのお話が、甘茶を使うルーツとなっています。
そのお話とは、「お釈迦様が生まれたとき、九つの竜が天から現れた。その竜が注いだ水で産湯をし、それは甘い水だった」というもの。お祝いの作法一つとっても、由来となるものがあります。
また、仏教では白象がお釈迦様の生まれ変わりと考えられています。お釈迦様の母であるマーヤーが、白象が自分のお腹に入っていく夢を見た後にお釈迦様を身ごもった、という話がもとになっています。
そのため、花祭りでは、白象が台座となり、その上に花御堂が置かれているという光景を目にすることもあります。
また、お寺によっては、稚児行列をするお寺もあります。
わが家の近所のお寺では、毎年稚児行列の募集をしていました。そのお寺の場合は、用意された衣装が着られる背丈の子であれば参加できるとしていましたが、大体8歳くらいまでの子が目安のようです。
稚児行列に参加する子はお化粧をして、用意された衣装をきてお寺内を練り歩きます。地元のニュースで放送されているのを見たことがありますが、衣装を身にまとい、保護者に手を引かれて歩く子供たちの姿はとても可愛らしいです。
稚児行列に参加できるのは小さなうちだけですから、ご自身の近所のお寺でこういった募集があれば、記念に参加してみるのもいいかもしれませんね。
花祭り特有の食べ物には何があるのかを子供に説明できる!?
花祭りにちなんだ食べ物はあるのでしょうか。これについては、最初に思いつくのは甘茶です。
息子の通っていた保育園ではなかったのですが、花祭りを行事に取り入れている保育園や幼稚園では、甘茶を飲んでいるところもあるようです。
甘茶は砂糖が入っていないのにとても甘く、子供でも飲みやすいお茶です。親子で飲んでみるのも、花祭りを身近に感じられていいですよね。味は麦茶やルイボスティに砂糖を入れたものが近いなと感じます。
他の食べ物についてはどうなのか調べてみましたが、花祭りだけに食べるものは特にありません。
「精進料理を食べました」、「草団子を食べます」、「タケノコのような花祭りの季節に旬な食材を食べます」といった情報も見かけましたが、これといった決まりはないようです。お寺行事で普段から食べているものを、花祭りでも食べる、という感じですね。
子供に花祭りの食べ物について説明するなら、
「甘茶はお砂糖が入ってないのに甘いお茶なんだって」
「野菜や豆をたくさん使う精進料理という料理があるよ」
といったお話ができますね。
最後に
花祭りはお釈迦様の誕生を祝う日です。「お釈迦様にも誕生日がある」ということを知ると、子供にとっても仏教というものがより身近に感じられ、理解も深まります。
お祭りを楽しみながら、こうした行事の由来に触れることで、子供の心もより豊かになりますね。ぜひ甘茶を飲みながらお話してみてください。
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