お餅のカビの正しい取り方は無い?削るより処分した方が良い!?

ちょっとした疑問

家の中まで冷え冷えとしていたという昔の冬のような環境ならばいざ知らず、今はお正月でも、エアコンやストーブで暖められて快適に過ごせるようになりました。

 

だから、置いておいたお餅にもいつの間にかカビが…

 

昔なら、カビを削り取って、あとはちゃんと加熱すればいい。

食べられるよ。なんてことも言いました。

 

しかし、今はそうは言いません。

 

お餅に限らず、食品に生えてしまったカビの正しい取り方というものはないのです。

 

もちろん中には人体に影響のない、あるいは影響が少ないカビも存在はします。

 

でもそれは専門家ででもなければ見分けるのは困難。

だって現在、知られているだけでも9万種類以上のカビが世界には存在しているのです。

 

だから、カビの生えたお餅は処分することをおすすめします。

もったいないですけどね。

 

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餠のカビは削る。そして洗えば大丈夫という話は嘘なのか!?

私の祖父母も、戦時中や戦後の食糧難の時代を体験していたこともあり、食べ物をとても大事にする人でした。

 

実際に今のお年寄りにもそういう方は多いと思います。

 

そして「ちょっとくらいなら大丈夫」とお餅のカビを削って、洗って、そして加熱して。思い出してみると私もそれを一緒に食べたこともありました。

 

でもこれも本当はアウト。カビが生えていたら、もう削っても安全ではありません。

 

それについて参考になる資料が農林水産省のホームページにありましたので、ご紹介します。

農林水産省の「食品のかび毒に関する情報」の中の「(参考情報)餅に生えたかび」です。

 

ここでは「お餅にカビが生えたときにはもう、カビが生えていない部分にも、実はカビの菌糸がのびている」ということを、顕微鏡を使った写真で示してくれているのです。

 

見えているカビを削った。そして洗った。

 

そうして綺麗になったように見えているとしても、実は見えないカビがまだまだ存在しているということですね。

 

しかも怖いのは、カビの毒は「いきなり症状が出る」ものばかりではないということ。

 

カビの毒の多くは慢性の毒性なので、一度食べただけなら特に体に影響もないように見えてしまう、でも後々になって影響が出てくる可能性があるということなのです。

 

カビの毒のことを総じて「マイコトキシン」と呼ぶこともありますが、その中でもかなり問題視されるのが、発がん性が高い「アフラトキシン」です。

 

日本に輸入されてくる食品でも時々検出されてニュースなどにも取り上げられることがあるので、「名前は聞いたことあるような?」という人も多いと思います。

 

このアフラトキシンを産生する種類のカビも、生えることがあるのです。お餅に。

 

恐いですよね。

 

そしてさらに怖い話をもうひとつ。

 

カビの存在そのものは、加熱で無くしてしまうことは可能です。

でも、そんなカビが出す毒は、たとえ加熱したとしても消えません。

 

煮ても焼いても存在したままなのです。

 

だからカビが生えた部分を削っても、そうなってしまったお餅は食べてはダメ。

安全や安心のため、惜しいなぁ、という気持ちをグッとおさえて、潔くバイバイしてしまいましょう。

 

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餅のカビ対策は基本を押さえて長く安全に食べられるコツとは!?

今時は、年末についたお餅を家で食べる、というご家庭は少ないのではと思います。

 

市販の、大袋の中に個包装のお餅がひとつずつ入っているようなタイプを利用することが多いかなと思いますが、その場合は大袋を開けなければ常温でそのまま置いておいても大丈夫。

 

包装に記載されている、ちょっと長めの賞味期限までは安全に美味しく食べられます。

 

それは大袋の中に、個包装のお餅と一緒に脱酸素剤が入っているから。

酸素が無い状態だと、カビも上手に育つことができなくなるのです。

 

でも、大袋を開けてしまった後はその脱酸素剤の効果も薄れますから、冷蔵庫で保存、早めに食べきることをおすすめします。

 

では、家でお餅をついた場合は。

 

その場合は、ひとつずつ丸めた丸餅の場合も、のした後に切った切り餅の場合も、まずはできるだけ早く個別にラップなどに包みましょう。

 

そして密封できる市販の保存用の袋がありますから、それに入れる。

あるいはタッパーウェアなどに入れて、冷蔵庫ではなく冷凍庫に入れてしまうのが一番長持ちする方法です。

 

その場合も脱酸素剤が利用できるなら一緒に入れてみてもいいかもしれません。

思い出してみると、私の実家では母がこの方法でお餅を保存していました。

手軽で簡単ながらも確かに効果のある方法でした。

 

また、調べてみると、そこにわさびや和からしを一緒に入れるという方法もあるようです。

 

これはすりおろしたり噛んだりしたときに鼻にツンとくるあの辛さに、カビだけではなく菌類全般の増殖を抑える作用があるからですね。

 

あるいは食品用アルコールを表面に噴霧してから保存するという手段もあるようですが、「風味とか変わっちゃわないかな…?」と考えてしまうので、私は試したことはありません。

 

でも、アルコールの効果を考えると、たしかにカビを防ぐためには良さそうです。

 

まとめ

お餅とはもち米を蒸して、ついてかためて作るものです。

 

栄養たっぷり。

水分も炭水化物も、たんぱく質も脂質も含まれていて、しかも美味しい。

 

だから、カビにとっても大変なご馳走なのですね。

 

しかも現代の家は、昔と比べてはるかに暖かく快適に過ごせるようになりました。

栄養と水分、そして温度。通常の状態なら酸素もちゃんとありますから、カビが元気に育ってしまう環境も整ってしまっているのです。

 

そして生えるのが、チーズやパン、お醤油やお味噌などを作るために使われるような、人間にとって有用なカビだけなら良いのですが、実際にはそうでないことも多いもの。

 

生えてしまったらもうそれは仕方がありませんので、早急に処分してしまいましょう。

 

ハラハラしながら食べて不安でいるよりも、手を合わせてごめんなさい、さようならをしてしまう方が後々も安全安心です。

 

可能な限り、お餅はついたら、あるいは購入したら、早めに美味しく食べること。

 

それができない場合は、適切な方法で保存すること。

 

保存する場合にしても、今回調べた中には難しい手法が必要だったりとか、特別な道具が必要だったりはしませんでしたので、これならこれからも、私でも手軽にできると実はちょっとホッとしています。

 

安全に安心に、美味しいお餅を味わいたいですものね。

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